これからの展開は(2017/12/31)
まず、ドルの総合的な強弱を示すU.S.Dollar Indexの週足と日足、そしてシカゴIMMポジションを見ておきましょう。
U.S.Dollar Indexの週足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/W
(※ロウソク足にするには、画面左のChart FormatのCandlestickにチェックしてください)
U.S.Dollar Indexの日足(上がドル高、下がドル安)
http://futures.tradingcharts.com/chart/US/32?anticache=1332019379
続落となりました。
次に、シカゴIMMポジションです。
シカゴIMMのポジション
http://www.cftc.gov/dea/futures/deacmesf.htm
12月26日時点のポジションは、ユーロでは、ユーロロング208,913枚vsユーロショート116,763枚、ネットユーロロング 92,150枚(前週 ロング86,224枚)です。
また、同時点の円は、円ロング44,269枚vs円ショート160,355枚、ネット円ショート116,086枚(前週 ショート114,123枚)
つけ加えて、同時点のポンドは、ポンドロング76,354枚vsポンドショート68,678枚、ネットポンドロング7,676枚(前週ロング 11,388枚)です。
ユーロは、ネットロングがやや増加です。
円は、ほぼ変わらずです。
ポンドは、ネットロングがやや減少です。
さて、今週ですが、この年末年始の時期、いくらファンダメンタルズな理由を言い連ねても、それは投機筋のエクスキュース(言い訳)に過ぎません。
したがって、投機的に、買い上げてくれば、いずれは売り戻し、売り下げてくれば、いずれは買い戻されるという宿命を負った相場だと見ています。
また、新年は、欧米勢が、新年度の始まりとして思うだけでなく、個人投資家を含めて日本勢にとっても新年で、「(気持ちも新たに)さあ、やるぞ!」となります。
「気分一新、さあやるぞ!」と思うことは、一般社会では良いことではありますが、相場の世界では、こう思うことで、一気にマーケットのポジションが、ロングかショートに大きく偏ることを示しており、その後の反動で多くの犠牲者を出しやすいと言えます。
したがって、年末年始の相場では、一見だまされたふりをしても、気持ちの上では、いつも以上に冷静でいなければなりません。
さて、年末相場からわかったことは、マーケットが今注目しているのは、ユーロ上値テストだということです。
EUR/USDの月足では、上に一歩に抜けてきているようにも思われます。
ただし、週足で見ると、まだレンジを上にブレイクはしてはいません。
今年の1月から9月初めまでのEUR/USDの力強い上昇トレンド相場の後のレンジ相場に、現在いるものと思われます。
特に、レンジ相場の初期段階は、乱高下しやすく、現状上値を試しているのもそのためと見ています。
もちろん、投機筋は、死にもの狂いで、レンジの上限突破を狙ってくるものと思われますので、上限が突破されれば、続伸もあり得ると思います。
ただし、今年の4分の3もの期間、しかも値幅にして1700ポイントも上昇したトレンド相場の後には、相応の期間のレンジ相場となるものと、個人的には考えています。
しかし、もし、上方向に突破したら、突破してから追いかけても遅くはないのではないかと思います。
ドル/円は、こんなに狭いレンジにも関わらず、シカゴIMMの円ショートは、さらに若干増えて11万6千枚になっていることが、謎です。
週足で見ますと、上は限られている一方で、下げ余地はあるように見えますが、たぶん、公的な防戦買いが下で待っているものと思われます。
このGPIFなど公的運用機関の防戦買いが相場を膠着化させていると思われます。
しかし、膠着、言い換えれば収束することが、相場の動き出すタイミングを前倒しにすることになるものと思われます。
方向的には変わらず下落方向で見ています。
EUR/JPYは、上に抜けてきています。
今の流れからすれば、確かにEUR/USDは上昇基調、ドル/円は横ばいですから、ユーロ買い円売りにはなるはずです。
今後については、EUR/USDがさらに上昇できるかに大きく影響を受けると思われます。
また、ドル/円が下がらないという条件も必要だと思います。
【皆様】
本年中は、大変お世話になりました。
来年もまた、よろしくお願い致します。
皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
バーニャ マーケット フォーカスト
代表 水上紀行