アラブ首長国連邦(U.A.E)のドバイから、エジプトのカイロへ到着。
飛行機を降りても、360度砂漠で、なんの変哲もありませんでしたが、この砂漠の向こうにはピラミッドがあるかと思うと、遠くまで来たもんだと思いました。
そして、西ドイツのフランクフルトへ向けて離陸。
耳もツンツンせず、順調なフライトでした。
結構長い距離を飛んで、フランクフルトに到着し、西欧入りとなりました。
ここから、フランス人がたくさん乗ってきました。
これは、当時の話で、セキュリティーの厳しい現在ではありえないことですが、中には、スキーセットを剥き出しで機内に持ち込んできて、通路に放り出す者もいました。
そして、とうとう終点のパリは、間近となりました。
このフライトで同乗した日本人客のうち、それぞれ一人旅の3人と親しくなりました。
その中のひとりが、スキーをしにスイスに良く行くというコックさんがいました。
パリ到着が夜になるので、知っている安ホテルに、皆で泊まろうと提案してくれました。
確かに、その提案がなければ、どこにも予約を取っているわけではありませんでしたので、途方に暮れるところでした。
パリは、当時、シャルルドゴール空港がまだできていなかったので、オルリー空港に着陸しました。
東京、パリ間の所要時間は、なんと36時間、つまり1日半にもなりました。
現在、直行便なら12~13時間ですから、確かにパキスタンに入国したとは言え、長旅でした。
と言うよりも、実は、これはヨーロッパ一人旅が始まる前の出来事だったのです。
空港で荷物を受け取った時には、もう午後9時頃だったと思います。
空港から、電車でパリの中心部にあるシテ駅に向かいました。
沿線は、ヨーロッパらしく街頭の明かりは暗く、全体に夜が更けたという感じでした。
そして、地下にあるシテ駅に到着しました。
長旅だったこともあり、皆無言で階段を上りました。
地上に近づくと夜なのに明るさを感じました。
さらに階段が上がると、その明るさの正体がわかりました。
それは、ライトアップされたノートルダム寺院でした!
そして、寺院の手前には、セーヌ川がゆったりと流れていました。
やっと来たぞ、パリ!感激の瞬間でした。
周囲は、多くの若者で賑やかでした。
それから、近くのサンジェルマン・デ・プレにある安ホテルへ、向かいました。
既に、木戸も閉められていましたが、呼び鈴を何度も鳴らすと、ガウン姿のマダムが現れ、どうにか泊めてくれることになりました。
さすがに疲れていたようで、揺れないベッドに安心して、すぐに眠りにつきました。
こうして、空の各駅停車の旅は終わり、そして1ヶ月間のヨーロッパ一人旅が始まりました。
またいつか、ヨーロッパ一人旅についても、お話ししたいと思っています。