各種プロダクツを横断的に見る
私は、もともとは、為替相場だけを見ていましたが、ここ十何年か、他のプロダクツ(投資対象)も含めて横断的に相場を見ることがいかに重要かということを、実感しています。
プロダクツによっては、強い相関性を示すものがあります。
現在は、ドル/円、クロス円が、ニューヨークダウと強い相関性があり、またEUR/USDは原油価格と強い相関性があります。
ただし、こうした相関性は恒常的にあるわけではなく、ある時は相関性が薄れ、またある時は相関性が強まるというムラがあります。
しかし、いつ相関性が強くなり、いつ弱くなるかはわかりませんので、継続して観察することが大切です。
また、強い相関性を示さなくても、他のプロダクツのマーケットでは何に注目しているかを知ることは、少なからず、為替相場を見ていく上で参考になります。
各種プロダクツの相場動向を調べてみると、意外な発見があります。
たとえば、為替相場では、原油価格の下落でEUR/USDにユーロ売りドル買いが入ったとされていました。
しかし、一方原油相場の方では、米政府が製油所など実需以外に対する原油や石油製品の持ち高規制の導入を検討しているため、投機筋が原油の買い持ちを減らし、ドル高基調にあるEUR/USDでユーロ売りドル買いをしたとされるなど、為替相場だけ見ていたのでは、わからなかったドル高の背景を知ることができます。
これは、世界のメジャーなプレーヤーが、ひとつのプロダクツに限定して取引をしているのではなく為替とか株とか原油といったいろいろなプロダクツで横断的に取引していることを示しているからだと思われます。
それだけに、各種プロダクツを同時平行的に観察していくことが、より重要になると思います。