シカゴIMMポジションは有用か(長い目では役立つ)
マーケット全体のポジションの偏りをすべて把握することは、不可能です。
しかし、ある程度、傾向は掴むことは出来ます。
そういう意味で、シカゴIMMのポジションが結構有用だと思っています。
具体的に、過去に有用だったケースを上げてみますと、2005年の9月から12月にかけての相場でした。
この年、内外金利差が注目され、個人投資家層によるキャリートレードが盛んに行なわれ、”個人がプロに勝った”と言われた相場でした。
つまり、個人投資家層は、ドル/円とクロス円を押し目買いをしてキャリーしたのに対して、プロはマーケットは買い過ぎているので、どこかで調整的に下落に転じると見て、売り上がりました。
しかし、個人層の買いは引かず、プロは締め上げられて、あえなくロスカット的な買戻しを余儀なくされました。
この間の、IMMポジションは、円ショートがかなり高水準を維持しており、気になっていましたが、それでも相場は上がり続けました。
ところが、12月に入り、発表された米貿易赤字が予想以上の大きさとなりました。
このタイミングをIMMのプレーヤーは見逃さず、9月からキャリーしてきた円ショートの利食い場として、ドル/円を叩き売ってきました。
この売りはすさまじく、相場は総崩れとなりました。
そして、後日IMMポジションをチェックしてみると、円ショートのポジションは大きく減っていました。
IMMポジションは、確かにマーケット全体のポジションは示しません。
しかし、ポジションの偏りが高水準を保っている場合は、上記の例で申し上げるなら、12月決算のタイミングのように、やはりどこかのタイミングで大きく手仕舞いが起こる可能性があります。
したがい、やはりIMMのポジション状況が大きく売りか買いかに偏っていないかをチェックすることは有用だと思われます。