根っこのポジション(長期保有のポジション)
トレーダーの間で、よく使われる言葉です。
つまり、長期に保有し続けるポジションのことを言い、そんなに簡単には手仕舞うことはありません。
根っこのポジションを持っているのは、シニアクラスのトレーダーやファンドマネージャーの場合が一般的です。
こうした根っこのポジションを手仕舞う時は、それまでの前提となる長期の相場のストーリーが否定され、新たなストーリーに移行する時であると言えます。
したがって、手仕舞だけにとどまらず、ポジションをひっくり返して新たな方向に長期ポジションを傾けることも十分ありえます。
こうしたことは、欧米間、つまり、EUR/USDでは良く起こることでです。
私がニューヨークにいた頃は、まだ統一通貨ユーロは誕生しておらず、今のEUR/USDにあたるものが、USD/DEM(ドル/独マルク)でした。
ある時、実際にこの根っこのポジションのひっくり返しに遭遇したことがありました。
欧州の銀行が、一斉にニューヨークの銀行を呼んできて、大口のUSD/DEMのプライスを求めてきました。
私もプライスを求められて出し、他の銀行でも同時に買ったらしく、買われた瞬間にプライスは100ポイント飛びました。
これは、もうポジションをひっくり返すしかないと腹を決め、買われたレベルの150~200ポイント上で、倍返ししました。
その後、相場は、幸いにも、さらに200ポイント上昇し、やや利益となって逃げることができました。
こうした大きな動きになる時には、必ず根っこのポジションを手仕舞うなりひっくり返すなりする、なんらかの理由がありますので、それがなにかをマーケットコメントやニュースなどから把握することが大切です。