世界は危険がいっぱい
海外勢が猛威を振るっていますが、彼らの生きている環境がいかにタフ(きつい)か、私の経験したことからその一面をご紹介します。
まず、ロンドンですが、階級社会のため、本当に底辺に近い人たちは、地下鉄など乗っていても、目が合うと何をされるかわからない恐怖があります。
ニューヨークの地下鉄も、一時治安が良くなりました、また悪くなり、夜間ひとりで乗るのは相当勇気が要ります。
ニューヨークと言えば、自分の車でマンハッタンのオフィスから自宅に戻る時に、一番危険とされるサウスブロンクスという黒人街で車がエンコしてしまい、レッカー車が来るまでが怖かったです。
黒人がひとり、スパナーを持って車の周りをぐるぐると回り、その恐怖は尋常ではありませんでした。
そうして、やっとレッカー車が来るやいなや、急にいい人になって、車をレッカー車に載せるのを手伝ってくれました。
そして、最後の別れ際に一言、Give me a dollar.(1ドルくれ)でした。
ニューヨークにいた頃、以前働いていたロンドン支店のビルが、IRA(アイルランド共和軍)が仕掛けた爆弾で爆破され、たまたま大蔵省の検査の準備で夜残っていた、日本人行員多数が、飛び散ったガラスの破片で被災しました。
幸いにも、死亡者はでませんでした。
東京の時のアシスタントが銀行からロンドン大学に留学で派遣されましたが、ニューヨークに休暇で出かけた際に乗った米旅客機が、イスラム系テロに爆破され、大西洋の藻屑となったこともありました。
北京のホテルで、自分のPCに「反体制派」と入力したら、画面上に小さなフラッグが飛んできて、「なんだろう?」と思って、そして上海から日本に帰国の際に、税関でパソコンの入ったカバンだけ、別の窓口から返却されて、また「なんだろう?」と思って帰国したら、パソコンが完全に電磁的に破壊されていました。
まあ、これがすべてではありませんが、結構海外では危険を感じることが身近に起こります。
そして、海外では、自分を守るのは自分しかいません。
そういう経験をしたことで、ある意味、トレードにも通ずるリスク感覚を養ったのだと思います。
(本日のメルマガコラムから)
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