相場のチューニング(相場観の調整を怠らない)
たとえば、月間のビッグイベントである米雇用統計が発表され、かなりはっきりとした方向性が出て、今後ドル/円は上がるといった見方をしたとします。
そして、これに基づいて、どこで買ってどこで利食い、またどこまで下がったら買いなおすといった方針が立てられると思います。
しかし、この瞬間の相場の新鮮さは、口の乾かぬ間に朽ちていきます。
多くのマーケット参加者が、あなたと同じあるいは似通った方針を決め、実際にポジションを持ち始めると、それだけでマーケットのポジションの偏りは変わっていきます。
また、相場は、米雇用統計の発表だけでできているわけではなく、他の指標、他のイベント、他のニュース、しかもそれぞれがバラバラに出てきます。
したがって、ある瞬間、方針を決めていた環境は、どんどん変化していますので、それに合わせて相場観も調整していくことが必要です。
相場を見ていくということは、気象観測に相通じます。
今の気象観測は、スーパーコンピューターを使って、限りなくリアルタイムの状況から気象を予測しているそうで、以前に比べれば、飛躍的に予報が当たるようになりました。
しかし、それでも、外れるときには外れます。
気象予報はそれほどまでに難しく、そして相場予測もまた難しいと言えます。
相場予測で少しでも精度を高めようとするならば、日頃から調整を怠たらないことだと思います。