投機筋の心得
相場を張る人は、米ヘッジファンドであろうが、ロンドン勢であろうが、そして日本の個人投資家層であろうが、すべて投機筋だということを自覚する必要があります。
そして、投機筋には宿命があり、売ったら利食いか損切りのために買い戻さなければなりませんし、買ったら利食いか損切りのために売らなければなりません。
その意味することは、いったん売ったら、売るという行為で多少相場は動きますが、それで下げは終わりです。
もし、売ることによって、相場を下げ続けさせようと思うなら売り続けなくてはなりません。
それによって、さらに多くのいずれ買い戻さなければならないショートポジションができることになります。
つまり、いったん売ったら買い、いったん買ったら売りという対に投機の取引はなっているということです。
したがって、投機的に売っても、次は買うことしか考えられないということです。
それに対して、実需は、輸入企業なら買って完結、輸出企業なら売って完結ですから、その後どうなっても構わないわけです。
しかし、投機筋は、自分のポジションがフェーバー(有利)になるか、アゲンスト(不利)になるかを、ポジションを持ち続けている限り、忘れることはできません。
しかし、そうした境遇に投機筋があること自体、投機筋自身が気づいていないことが多く、重要指標の発表とか、イベントとか、要人発言といった相場要因が出るたびに、売りだ買いだしていますが、それでは、他の投機筋と同じことをやっているだけで、単にマーケットポジションが一方偏るだけです。
そして、売り過ぎ買い過ぎになれば、相場は逆に振れ、あえなく損切ることになります。
投機筋として大事なことは、マーケットのポジションの偏りを把握すること、そしてマーケットのセンチメントが一方に偏っていないかを常に値動きから読み取ったり、推理することが大事です。
「子供のサッカー」のような、一団となって右にボールが飛べば団子になって右に行き、そこから蹴り返されて左に飛べば一団となって左に行くというトレードは厳に慎むことだと思います。
「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言があります。
意味は、1人だけ勇気を持ってほかの人とは違う方法をとることで、花の山(大きな利益)を手に入れるができるということです。
これが、投機筋の理想形だと思います。
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