すぐ儲かる
巷では、「すぐ儲かる」とか、「負けなし」という言葉があふれています。
しかし、儲けるとは、そんな生半可なものではありません。
やはり、痛い目に遭ってみたり、怖い目に遭ってみたりを経験しながら、「こうしたことはやっちゃいけない」とか、あるいは「ああすればいいんだ」とか学習して成長していくものだと思います。
つまり、経験の積み重ねというものが、人を育てていくのだと思っています。
先日も、私のかかりつけのマッサージの先生とも、そんな話をしました。
こちらから、「マッサージの世界でも、長い経験が必要ですよね」と話を向けたら、「そうですね。人の筋肉の状態が触ってわかるようになるのに、10~20年の経験が要ります」というのが、先生の答えでした。
いろいろなことを体験して成長していくのは、どの世界でも同じなのだと思います。
そして、痛い経験、苦い経験をすることも大事だと思います。
そうしたものは、いろいろなことを教えてくれます。
私も、ロンドンで新米ディーラーの時、しこたまやられた時、ディーリングボードを睨みながら、「この失敗、2度と忘れるものか」と決意したことが、恥ずかしながら一度ならずありました。
しかし、そうした経験から、ああこの時期には、毎年こんなことが起きるんだとか、1日のこの時間帯にはこんなことが毎日のようにあるのだとかといった知識を蓄積していきました。
そうした、経験と知識があればこそ、これから起きるであろうことが、ある程度見えてくるものです。
ですから、早く儲けたいお気持ちもわかりますが、やはり基礎をしっかりと身につけるということが、言い古された言葉ではありますが、とても大事だということを実感として思います。
私は、インターバンクディーラーの時、相当儲けました。
しかし、その頃は、まだ相場の仕組みがわかっていたわけではなく、ある意味野生の勘で儲けていたと後になって思います。
本当に相場の仕組みがわかってきたのは、40代、50代になってからだったと思います。
道のりは、長いです。