4度目の正直(有名チャートの落とし穴)
3度目の正直とよく言いますが、相場でレジスタンスやサポートを破る時は3度目よりも4度目の方が多いように思います。
たとえば、左肩、頭、右肩から成るヘッドアンドショールダーの場合、左肩が出来て1回目の下値トライに失敗後大きく反発し、頭の部分を形成することになります。
さらに、頭の部分から2回目の下値トライに失敗後、小反発して右肩部分の形成に入ります。
そして右肩部分が出来上がってきて3回目の下値トライでネックラインを割って下落となれば、このフォーメーションは完成となります。
しかし、現実には、この3回目の下値トライも失敗して、いったん反発してから4回目の下値トライで崩れることが結構多いように実戦的には感じています。
なぜ3回目は失敗し4回目で成功するのか、私なりに解釈しますと、ヘッドアンドショールダーのような教科書的にあるようなフォーメーションは、多くのトレーダーがそれが形成されつつあることを気づいてしまうからだと思います。
特に、右肩が形成する過程で、既にこのヘッドアンドショールダーの完成を多くのトレーダーが見込んで売るため、急速にマーケットがショートになり、そこで3回目の下値トライをしても、下げきれずショートカバーで反発してしまうことになります。
そして、この失敗によって、マーケットの関心がそれたり、逆にロングポジションが出来てくると、今度こそ4度目の正直で崩れることが結構あります。
つまり、いかに知られたテクニカルフォーメーションであっても、その時のマーケットのポジションによっては、素直には相場は動きませんので、その時点でのマーケットポジションがどうなっているのかを把握することが必要になるわけです。
そして、マーケットポジションを知る上では、値動きによる分析が重要です。