夢中になることも必要(成長するために)
ディーラーとしての成長過程において、ある時点では、夢中になる期間も必要だと思います。
私自身の場合を例に取り上げてみますと、ロンドンでディーラーを命じられ、最初は鬼軍曹にゴリゴリやられ、結構つらい日々を送りましたが、鬼軍曹のスパルタ教育が功を奏し、4~5ヶ月目ぐらいで、どうにか自分自身のスタイルでディーリングができるようになりました。
そうなると、今度はディーリングが面白くて面白くてたまらなくなり、まさに寝る間も惜しんで、ディーリングに打ち込みました。
そして、ロンドンから東京に移り、ロンドンという支店と比べると、懐の深さがケタ違いに大きい東京本部で、さらに大きな額を振り回して大暴れしました。
まずは、ロンドンにいた頃と同じスワップディーラーをやり、無茶苦茶に大きな額で米系銀行ニューヨーク本店と張り合いました。
次に、ケーブル(GBP/USD)ディーラーとして、香港・シンガポールの中国系ディーラーと日々激しく叩き合いました。
そしてドル/円ディーラーとして、円の主導権はマザーマーケット(本拠地)である東京が持つべきだと考え、海外勢の猛攻に正面からぶつかったりと、いろいろなディーリングをしました。
それが出来たのも、ディーリングが面白くたまらず、夢中だったためだと思っています。
そうした夢中の期間があったからこそ、いろいろな相場での身の処し方、テクニックなどを学び、現在為替のストラテジスト(為替の投資戦略を考える専門家)として皆様にアドバイスできる知識や経験を得たのだと思います。
余談ですが、夢中な頃に、36時間ノンストップディールをやったこともありましたが、結論は、集中力が散漫になり、これはやるべきことではないと思いました。
負けていると相場にのめり込む時間が長くなるというご経験はありませんか。
その36時間ノンストップディールを始めるきっかけとなったのも、負けを取り戻そうとしたことから始っていました。
今の私ならこう言います。「自分の負けは負けとして認め、撤退して休息を取ることが、結果的には良いことだ」
それは、私自身が夢中になっていた時期に痛い経験をしたからこそ、今皆様にそう言えるのだと思っています。
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