AIトレードの舞台裏(対抗は可能)
LHTも、SHTも、NYも、AIトレードになった一番大きな理由は、トレーディング部門の不振にあると思います。
一番顕著な例は、ロンドンで、もともと金融センターとして、断トツだったのが、FXのみならず、他の金融商品でも地盤沈下が激しく、調べによっては、2位のニューヨークに追い抜かれ、さらに3位のシンガポールの水準近くまで落ち込んでいるもようです。
その結果、トレーダーの減俸やリストラも激しくなっています。
しかも、今まで、トレーダーは高額所得者であったため、首のすげ替えをしても、高コストであるため、人間のトレーダーはお払い箱になり、AIという低コストでしかも働き者のマシンに入れ替えてきているということです。
このコストセーブの発想は、NYであろうがSHTであろうが同じことだと思います。
NYについては、2022年の前の5年間、為替のボラティティーがかなり下がってしまった一方、米株が活況で、短視眼の米経営者は、FXディーラーは首にし、米株ディーラーを増員したため、FXの人材が枯渇してしまったという経緯もあったと思います。
そして、SHTは、ご存じのように売りからしか入りませんから、到底儲かっているとは平時でも思いませんでしたが、この11月3日の米雇用統計で、149円台まで相場が下げた時、また猛烈に売ったところ、本邦個人投資家層の大量買いに相場は反転してしまい、大きく損失を出してしまったことから、その後沈黙を保っていましたが、ここにきてAI投入を決めたものと思います。
確かに、AIにするとマシンですから、疲れることなく直線的に連続して売り続ける力はあります。
しかし、なにもトレードなど知識や手順がわかっていなかったAIにトレードさせるためには、これまで人間のトレーダーがやってきたトレード手法、時間配分などを教え込んで、同じことをやらせようとするため、要はこれまで人間トレーダーがやってきたトレードスタイルに終始し、新鮮さ斬新さが、AIトレードには現段階では全くありません。
そのため、私など、AIが導入されたことに気づく前は、あたかも何かの作法でもやるかのように、同じ手順を繰り返しているように見えました。
そして、その後短期間で、ああこれがAIトレードだなということに気づきました。
したがって、今のAIトレードは、図体だけは大きな赤ん坊のようなものだと思います。
ですから、迎え撃つ、人間の本邦個人投資家層には勝ち目があると思っています。
なぜなら、彼らのトレード手法は、強烈に玉を打ち込んで、相手が狼狽して、投げてくるところを利食うという、たとえばLHTのトレード方針を踏襲しているに過ぎず、彼らが思うようにこちらが動かなければ、肩透かしになるということです。
それは、いつも申し上げているように、「売りでも、買いでも、波に乗れ!そして、さっさと利食う」ということです。
相手の攻撃に狼狽しなければ、十分勝てる相手だと思っています。