死んだ、死んだ(ネアカな為替トレーダー)
相場でやられると、「やられた!」とか、「死んだ、死んだ」とか、口に出ますが、本当の死とは違い、何度でも死んでは生き返ることができるのが、相場の面白いところです。
為替トレーダーの「死んだ、死んだ」という言葉には、むしろ明るさすら感じます。
それは、やられたつらさを、「死んだ、死んだ」と人に吐露することで、自分の気持ちをリセットさせているからではないかと思います。
「死んだ、死んだ」は、為替トレーダーが気分を一新するための言葉で、金利トレーダーからはあまり聞きません。
それは、為替の世界が、いかに理詰めだけでは勝てない、マーケットのセンチメントの読み合いの世界だからです。
刻々と変化するマーケットのセンチメントが読めなかったからと言って、一々クヨクヨしても仕方がなく、やられたことは忘れて、次のことを考えていく、こだわりのなさが必要です。
一方、金利の世界は理詰めの世界ですので、色々な要人発言や経済指標の発表結果を分析し、おもむろに一手を打つという感じです。
そのため、読みがあたれば、誰もが儲かるという面もありますが、積み上げてきた論理が否定されると、立ち直るのに相当な時間が掛かります。
私も、一時期、金利の世界にいたことがありますが、金利サイドから見ると、為替トレーダーは、よく言えばネアカ、悪く言えば節操がない人たちに見えましたが、為替担当に移ってから、みんなと一緒に「死んだ、死んだ」を連発していました。