お役立ち値動き分析(リアルタイムの心理・ポジションを読む)
(今朝6:12のメルマガコラムから)
今回は、長期のプレーヤーのクリスマス休暇前の手仕舞いとか、ロンドン・ホラー劇場のAI化とかいろいろ推測される売りがドル/円に殺到しました。
そして、実に知らず知らずのうちに、多くのマーケット参加者が、この下げまだ続くと確信し売り込み、その結果、売り過ぎとなり、自律的な反発(自然発生的な反発)となりました。
ここで、一番大きなポイントは、「知らず知らずのうちに、多くのマーケット参加者が、この下げまだ続くと確信して売り込んだこと」です。
マーケットは、実に疑い深いものです。
そう簡単には、下がるとは確信しません。
しかし、今回のように、次々と売りが出て、地滑り的に相場が崩れ、底が見えなくなった時に、多くのマーケット参加者が、これはもっと下がると確信します。
そして、疑いが確信に変わった時、今まで強気だった人も引き込んで、実際に売り出します。
そして、ショートポジションが膨らむことで、反発力を得ることになります。
まさに、マーケットの大勢の心理の裏に裏に相場は動くものです。
そうしたマーケットの心理の移ろいから相場展開を読むのが、値動き分析です。
値動き分析は、大勢の心理の移ろいをロウソク足チャートから読むもので、いくつかの基本パターンが分かれば、大体のことはわかります。
値動き分析は、大きくは上昇と下落に分かれます。
上昇は、マーケットの大勢がなにかのきっかけで売りを確信して、しかし、底で売るのは怖いので戻りで売ろうとします。
そうすると、反発してきているところを売るため、戻り売りをしても、既にマーケットはショートになっているため、下がらずむしろ上がり、売った人は苦しくなって、買い戻します。
しかし、そこをまた別の人が値ごろ感から売ります。
またショートになるけれど、下がらず買い戻すということが繰り返され、振り返ってみるとだいたい45度角度の右肩上がりの上昇を描きます。
これをジリ高と呼んでいます。
このジリ高が続いても下げる様子がないところに、なにかきっかけになるようなことが起きると、皆一斉に買い戻すため急騰となり、そして、ショートは買戻し、ロングは利食うと、マーケットはスクエア(ポジションなし)となり、高値圏で横ばい(高止まり)となります。
これが、値動き分析の上昇パターンの基本形です。
これは、実によく見られることで、特にだいたい45度角度の右肩上がりのチャートを見たら、「マーケットはショートだな」とわかります。
下落のパターンは、上昇のパターンを裏返したもので、なにかを理由に上げを確信し、買い下がった結果、だいたい45度角度の右肩下がりのジリ安となり、その後下げ止まらないことに恐怖して投げが集中して急落し、そしてポジションが整理されて安値圏で横ばいとなるというものです。
この場合の、だいたい45度角度の右肩下がりのチャートを見たら、「マーケットはロングだな」とわかります。
この値動き分析は、実戦的で、ロウソク足チャートさえあればわかります。
しかも、値動き自体、FX会社各社のスプレッドを抜けば、同じレートが世界全体で連動しているわけですから、集約された世界全体のその時のポジションや心理状況がわかるということで、とても有用だと思っています。