I like a man.(袖すり合うも何かの縁)
ロンドンにいた頃の支店のクリスマス・パーティーの時だったと思います。
ケルト系のウェールズ人の女性秘書と話していたら、彼女が"I like a man."と言いました。
唐突に言われて、すぐに反応しなかったら、彼女があわてて、「男が好きっていう意味ではなく、人間が好きだということを言いたかった」ということで、確かに、日本語でも似たようなちょっと誤解を生みそうな場面があるなあと思いました。
ただし、ここで申し上げたいのは、彼女と同じく私も人間が好きだということです。
特に、旅先で出会った地元の人と仲良くなれると、旅のおもしろさがグンとアップします。
フランスの大西洋岸の町で、駐車場のマグネット式の駐車券がバカになってしまいゲートが上がらなくなってしまった時、たまたま近くにいた紳士に窮状を話したところ、嫌な顔ひとつせずに、管理会社につながるインターホンで状況を説明してくださって、難を逃れたことがありました。
そうしたたわいもない出来事でも、良い旅の思い出になるものです。
あるいは、私は京都が好きで、この2年間で4回行きましたが、そのたびに行くすっぽん料理店があるのですが、まさに最初は、一見さん扱いだったのが、行くたびにどんどん親しくなり、そしてそれに比例するかのように、そのお店も繁盛していき、通う人間としてはとてもうれしいです。
本当に、京都にも気の置けない場所ができました。
旅先では、結構話掛けることにしています。
もう昔の話ですが、ドイツのミュンヘンの郊外の宿に向かおうと電車に乗ったところ、下車すべき駅が良く分からず、客車のデッキにいたちょっととっつきにくそうな紳士に、ダメ元で話しかけました。
そしたら、彼は一転して満面に笑みを浮かべて、親切に説明してくださいました。
本当にほっとしました。
これは、私の友人の話ですが、彼がロンドン勤務の時、サッカー観戦が大好きで、欧州一円から時には中東あたりまで、試合を観に出かけて行っていました。
彼は、その試合が開催される町に着くと、必ずバーに行ったそうです。
そして、そこで地元の強い酒を、必ず一気飲みしたそうです。
そうすると、居合わせた地元の人達が大喜びして場が盛り上がり、大宴会になったそうです。
私も北京のお店の店員の女の子と、筆談して、結構盛り上がったことがありました。
彼にせよ私にしろ、それができるのも、やはり「人間が好き」だからだと思います。