1年を振り返って(本邦個人投資家層の歩み)
今年を振り返るにあたって、今年の相場の背景となる、昨年の9月以降から、お話させて頂きます。
昨年2022年の9月・10月の為替介入後の11月からの急落相場で、一番の急落の原因となったのは、海外投機筋の巨大ロングポジションの投げでした。
そして、その下落過程で、本邦個人投資家層が値ごろ感から買い下がってロングになったことから下げ止まらなくなって投げたのが、さらに下落を大きくさせました。
そういう意味では、昨年は、本邦勢の悪しき習慣である買い下がりがまだ世間では一般的に行われていました。
しかし、今年に入り、「海外投機筋動向」などを通じて事あるごとに、押し目買い(逆張り)は危険とお伝えしてきたことで、本邦個人投資家層の意識はかなり変わってきています。
一番それが顕著に表れたのが、ロンドン・ホラー劇場でした。
ロンドン・ホラー劇場は、ご存じのように、ロンドン勢が本邦勢の押し目買いの習慣を逆手に取り、なにも理由も原因もないのに、強引に売り下げて、苦しくなった本邦勢が投げるところを利食うというものです。
今年の4月頃までは、ホラー劇場により、毎日ドル/円はロンドンタイムに1円ぐらい落ち、多くの本邦勢がロンドン勢に貢いだことから、本邦勢はロンドン勢の安定収益源でした。
しかし、狼狽しないように、SNSなどで呼びかけた結果、本当に本邦勢は狼狽しなくなり、下げたとしても、ロンドンタイムに40銭ぐらいしか落ちなくなり、むしろロンドン勢が儲からなくなって、減俸や人員削減に追い込まれるようになりました。
こうした海外投機筋の手口を、本邦勢に伝えたことで、この1年で本邦勢はかなり変わってきました。
そして、追い込まれた海外投機筋は、この年末の薄くなったマーケットで、来年の米金利下げ見通しや日銀の政策変更観測などを材料に、AIを使って強引に相場を売り下げてきました。
そういう意味では、海外投機筋のAI本格導入の年だったとも言えます。
しかし、それに対して、最近の本邦勢は、悪しき習慣だった押し目買いは影を潜め、むしろAIの強烈な売りに乗って売りで大儲けする人たちも出てきており、非常に頼もしく思っています。
そういう意味で、本邦勢の体質は、かなり改善してきており、来年に向けてさらなる成長が期待できると思っています。
そうした成長をもっとも推し進める原動力は、もちろん個々人が儲かったあるいはこうすれば儲かるんだという利益実感を持つことが大切です。
儲かってこそ、トレードに励みが出るものです。
その意味で、より多くのトレードの経験度数を増やし、そして一回で大きく儲けるのではなく、勝つ回数を増やすことで、勝ち癖をつけることが大事です。
また、「魚を上げるのではなく。魚と釣り方を教えます」ということを申し上げてきました。
それはなぜかと言えば、魚をもらっても、その場限りなのに対して、魚の釣り方を知れば、いつでも自分で釣れるし、自分自身の考えたいろいろな工夫によって、より多くの魚穫高を得ることができるからです。
そのために大事なことは、自分で考えることです。
私自身が、今まで一番くやしかったトレードは、人の言うがままにやって、負けた時です。
どんなに初心者であっても、自分で考える習慣を持つことが大事です。
そして、一番大事なことは、トレードを楽しむということだと思います。
実は、JFXの小林社長と私は、68歳で同い歳ですが、本当にふたりともこの仕事が好きです。
たまに会って話すのですが、お互い飽きずに相場の話をしています。
だからこそ、いくつになってもトレードがいかに楽しいものなのかを皆さんにお伝えしていけるのだと思っています。
この魅力あふれるFX市場で、お互い稼ぎ楽しんでいきましょう。