ロスカットの嵐(クロス円の怖い一面)
これも、よくディーラーの間で使う言葉です。
つまり、ロスカットが集中して出ている時の様子を表しています。
リーマンショックの時。これに端を発した金融危機により、特にクロス円が大暴落を演じました。
あの時、たとえば、GBP/JPYは9月の195円台から翌10月には139円台へ56円の暴落、またAUD/JPYは9月の89.00近辺から10月には55円台へ34円の暴落となりました。
GBP/JPYもAUD/JPYも、それぞれのクロス円としての流動性のあるマーケットはありませんので、それらでロングを持っていた向きは、GBP/JPYならGBP/USDとドル/円に分解してそれぞれを売り、AUD/JPYならAUD/USDとドル/円に分解してそれぞれを売って、マーケットから脱出しようとしました。
その結果、リアルなマーケットでは、GBP/USDは急落するは、AUD/USDは急落するは、そしてドル/円は急落するという全部売り状態となりました。
まさに、これがロスカットの嵐です。
これほどすさまじいロスカットは、稀にしか起きませんが、何かの突発的な事件・指標発表・イベントなどをきっかけに、いつでも起りえると見ておくべきだと思います。
したがい、こうしたリスクを回避するためには、常日頃から、現在の世界情勢やマーケットが何をテーマにしているかといったことについて、アンテナを張って、気をつけておく必要があります。