ドイチェブンデスバンク(絶妙な介入)
ユーロになり介入権がECBに移行するまで、ドイツでは、中央銀行であるドイツ連邦銀行(ドイチェブンデスバンク、愛称BUBA、ブバ)がドイツマルクの介入権を持っていました。
BUBAは、その巧みな介入により、世界中の銀行から畏敬の念を持たれていました。
巧みな介入について、より具体的に申し上げますと、まず、介入のタイミングが絶妙で、たとえば、マーケットが相場を下げようと売り込むと、ポジション的にかなりショートになったところを見計らって、個別の銀行で買い介入に入ります。
しかも、マーケットの水準が、たとえば1.0910-15だったとすると、銀行はこのタイミングでBUBAが呼んでくるということは買いだと見て、100ポイントも上の1.1010-15でBUBAに大台違いのプライスを提示しても、ブンデスは意を解せず買った上に、買ったことをその銀行を通じてマーケットにアナウンス(知らせる)させます。
これにより、BUBAは相場の下落させたくないという強い意志をマーケットに示し、マーケットは一目散で買い戻しに入りました。
また、この絶妙なタイミングで、かつマーケット水準とはかけ離れたレベルで介入することによりマーケットは驚き、逃避行動に出ますので、実際に介入した金額が小額で済みました。
こうした、マーケット心理を読みきったBUBAの介入姿勢に、マーケットは尊敬してやみませんでした。
そう言う私もBUBAの大ファンで、実際に独フランクフルトにあるBUBAのディーリングルームを訪問したことがありました。
現れたチーフディーラーは、自信に満ち、またファンダメンタルズ分析のみならず、テクニカル分析にも長けていて、さすがは天下のBUBAだと思ったものでした。
余談ですが、BUBAのビルは、自動小銃を持った警備兵たちによって警護されていたのが、また格好良く見えました。