タフ(きつい)
「タフ」という言葉は、「疲れを知らない元気な」というニュアンスで使っているように私は思っていました。
ロンドンにいた頃、アシスタントの若い女性が、まさにこのニュアンスどおりの元気な子だったので、"You are tough."と言ったところ、「私のどこがタフなの?」ときつめの返事が返ってきて、アレ?と思ったことがありました。
それもそのはず、「タフ(tough)」は、英語では「きつい」というニュアンスが強い言葉だったからです。
また、「ホッチキス」をどうアクセントを変えてみても通じなかったことで、「ホッチキス」も和製英語であることを知りました。
ちなみに、ホッチキスのことを、stapler(ステイプラー)と言います。
さて、余談はこれくらいにしまして、英米にいて思うことは、英語本来の意味での「タフな」連中が多いことです。
弱肉強食の社会を渡っていくためにはタフでなくてはやっていけないのだと思います。
そして、外国為替市場は世界中から参加してくる人々によって構成され、その中にはタフな連中も少なくないことは想像に難くありません。
彼らから学ぶべき点は、勝つことへのしつこさ、ねちっこさだと思います。
ニューヨークの頃の同僚ディーラーは、狭い値幅での売り買い、要はスキャルピングを日がな一日続けて利益を出していましたが、相場の隅々まで取ってやろうとするそのねっちこさには、本当に感服しました。
潔し(いさぎよし)を良しとする日本人であっても、相場の世界では、この勝つことへのしつこさ、ねっちこさは身につけるべきかと思います。