1ドル=1円(温故知新)
よく円の最高値は、2011年10月31日につけた75円32銭と思われがちですが、実はそれは戦後最高値であって、決して本当の意味での最高値ではありません。
では、いつ円は最高値をつけたかと言えば、明治時代です。
1871年(明治4年)5月10日に、「新貨条例」が公布され、これにより円が正式使われるようになり、その時のドル/円レートが、1ドル=1円となったわけです。
つまり、本当の意味での円の最高値は1円ということになります。
それから、終戦直後の超インフレから、円安が大幅に進み、1949年にGHQが1ドル=360円となる固定相場制を決定しました。
そこから1971年までですから、22年もの間、360円の固定相場制が続きました。
この間に、日本の戦後の復興、そして高度成長期を迎え、大幅な円安の援護射撃があって、貿易黒字が大幅に増えていきました。
そして、日本以外のG5諸国は、日本の膨大な貿易黒字に不満を募らせ、またベトナム戦争への膨大な出費から、米国が弱体化し、1971年8月15日にはニクソンショックが起こり、固定相場制は終了し、円高が進行していきました、
しかし、240円近辺まで円高になった1985年になっても日本の貿易黒字は減らず、そこでニューヨークのプラザホテルで円高誘導が合意(プラザ合意)され、10年後1995年には、80円割れまで160円もの円高となりました。
これも、やはり日本の国力が強まったことを示す結果でした。
そして、2011年に2番底となる75円32銭という円の戦後最高値をつけ、そして2022年から本格的に円安方向に向かい始めたところだと見ています。
こうした円の歴史を展望すると、逆に相場のトレンドが見えてきますので、たまに振り返ってみることが大切だと思います。