相場の主導権(今回はニューヨーク)
(本日6:13のメルマガコラムから)
どのマーケットが相場の主導権を握るかということは、相場を見ていくために大変重要です。
なぜなら、主導権を握ったマーケットで、実際に相場が一方向に動きやすくなるわけです。
主要なマーケットセンターとしては、東京、シンガポール、ロンドン、ニューヨークがありますが。今週に入ってからのドル/円の下げ相場の主導権は、ニューヨークにあります。
主導権を握るという意味で、やはりその大きな理由は、そのマーケットセンターが持つ自前の材料があるかないかに寄るところが大きいです。
東京には円の情報があり、ロンドンにはポンドとあるいはユーロの情報があり、ニューヨークにはドルの情報があります。
残念ながら、シンガポールには主要通貨の自前の情報はありませんし、ロンドンにも、円やドルの自前の情報がありません。
その点、東京には円の情報があり、ニューヨークにはドルの情報があり、つまりドル/円は東京とニューヨークが主導権を握りやすいと言えます。
東京については、海外勢には不可解な日銀の金融政策があり、これが結構海外勢を煙に巻いていますので、それは本邦勢には優位に働きます。
つまり、海外勢が強引にドル/円を動かそうとしても、なかなか思うようには動きません。
一方、今回がそうですが、ニューヨークが主導権を握ると、FRBの金融政策がニューヨークが他の地域より早く正確に入手するため、ドルをかなり強引に動かします。
ですので、今週のドル/円の動きは、日本から見ると深夜に動かされており、非常にやりづらい一面があります。
ただし、米国におけるドル/円取引は、ドルが基軸通貨のため、商取引はなく、ほぼ純粋に投機からなります。
従って、鮮明に、投機の宿命を持ったマーケットだと言えます。
つまり、たとえば、ドルをニューヨークが売っても、それは投機の売りですから、必ず損益確定のため、いずれ買い戻さなければなりません。
ですから、今、力いっぱいニューヨークが売っても、それに翻弄されず、買い下がりもせず、かわずことが大事です。
いくらFRBがどうだといっても、あくまでもトレーダーのイメージ先行による言い訳に過ぎません。
つまり投機の相場である以上、いずれ戻ってくる相場だと思います。
FRBと聞くと、伝家の宝刀が抜かれたと思われがちですが、投機の相場であることに変わりはないことに、よく注意する必要があります。