「投機をなす者、楽悲を戒む」(平常心が大事)
この言葉を書いた紙ペラが、昔から私のディーリングデスクの上にちょこんと置かれています。
もともとこの言葉を知ったのは、「酒田五法は風林火山」(日本証券新聞社編著)からですが、相場をやる以上は、勝った負けたと、はしゃいだりしょげたりせず常にポーカーフェースであるべきだという戒めと捉え、相場に向かう時々に、チラッとこの言葉を書いた紙ペラを見るようにしています。
勝てば気が大きくなってもっと儲けようという欲望が膨らんで利食わず、折角の儲けを飛ばしたり、また負ければ悔しさのあまりにまた突撃して、物も言えないほどやられてしょげ返る。これを繰り返していては、成長がありません。
勝てば勝つほど浮き立つ気持ちを自制し、負ければ悔しさで熱くなる気持ちをグッと抑えこの負け決して忘れまいと思うことが、次へのステップアップにつながるのではないかと、個人的には思います。
相場の世界、宵越しの金は持たない的な考え方もありだとは思いますし、それはその人ご自身の考え方ですから、とやかく言う問題ではないと思います。
しかし、もし投資としてお考えであれば、ご自分の大切なお金を投資される以上、リターンがあってこその投機だと思いますので、言うは易く行なうは難しの言葉ではありますが、この「投機をなす者、楽悲を戒む」という言葉を、局面局面で、是非思い出して頂ければと思います。