パニックへの対応(一定の緊張感を保つ)
人間、油断をして、全くノーガードで、なにかが起きれば、当然パニックし、想定以上の過剰反応を示します。
その良い例が、昨年の3月の欧米の金融危機でした。
米雇用統計のあった金曜日の、それこそ米雇用統計後1時間ぐらい経ったマーケットもやっと落ち着いてきたところに、唐突にシリコンバレーバンクが危ないという話が持ち上がりました。
正直、ニューヨークでの勤務経験のあった私ですら、聞いたことのない銀行でしたが、週を越え、それにクレディスイスの経営不安まで加わり、しかもマスコミがリーマンショック以来の金融危機の到来と煽れば、マーケットがパニックになってもおかしくはありません。
しかし、トレーダーとして大事なことは、こうしたパニックに踊らず、冷静に対応できるように、日頃からある一定の緊張感は、常に持っておくことです。
もしも、常に持つことが大変であれば、少なくとも、ポジションを持っている時だけでも、緊張感を持つことが大事だと思います。
世の東西、これまでも、いくつものパニックがあり、結局、そのパニックに身構えていなかった者が大きな損失を出しています。
今後、それを避けるために、何より大事なことは、今申し上げた、ある一定の緊張感は常に持つことで、それがマーケット全体に浸透すれば、パニックによる乱高下相場もかなり振れ幅を抑えることができます。
これは、ロンドン・ホラー劇場となんら変わらず、相場の動きに狼狽した側から、仕掛けた側に利益が移転するだけのことです。
ですから、パニックになったら、まず冷静になることです。
それだけでも、利益の移転は、かなり食い止められると思います。
世の中には、狼狽させておいて、利益をかすめ取ろうと思っている人間は、海外投機筋はじめ多いですし、手口は似たり寄ったりです。
こちらも、踊ってばかりはいられません。