不思議なサイクル(3月に警戒)
2022年9月・10月に、海外投機筋の投機的なドル買いに対して、政府・日銀は、9兆2千億円もの大量介入をすることで撃退しました。
海外投機筋は、余程痛い目に遭ったものと思われ、それ以降ドル売り一辺倒となりました。
しかし、海外投機筋が売りからしか入らなくなったことで、ドル/円のマーケットポジションは、もともとからの日本のドル不足のドル買いというドル買い圧力に加えて、海外投機筋の買い戻し圧力も加わり、さらにジリ高が続いてきました。
そういう意味で、政府・日銀の介入は、投機のドル買いは撃退できたものの、反面海外投機筋がドルショートにするようになったために恒常的なドルの買い戻し圧力を受けることになり、そういう意味で、介入の功罪(良い点と悪い点)が今の相場を形成しているとも言えます。
財務省が、投機筋のドル買いトライに徹底介入する姿勢は、今後も変わらないと思われます。
また、一方、特に海外投機筋は、ドル売り先行を変える気もなさそうです。
そして、この二つの条件が合いまって、海外投機筋のショートの買戻しによるドル買いが続く可能性があります。
ただし、気がついたことがあります。
2022年の7月以来、4カ月おき、つまり、7月、11月、3月に大きな調整的な下げが繰り返されています。
そう言う意味では、今月は3月ですので、この大きな調整的な下げの時期となる可能性があり、警戒を要します。
調整の理由としては、7月は8月の夏休み前の調整、11月は12月後半のクリスマス休暇の前の調整と、説明がつけやすいのですが、3月については、この調整のサイクルが始まったのが2022年の7月からで実際に3月に調整があったのは昨年の3月だけです。
そして、その昨年の3月の調整のきっかけは、欧米の金融危機という事件でした。
形跡からすると仕組まれた金融危機だったようですが、今年は、またなにを理由にしてくるのか今のところわかりません。
しかし、いずれにしても、彼らの新年度のスタートの1月以来、2カ月間も、昨年も今年もドル/円は上昇しており、売り先行の海外投機筋としては、腹立たしく思っているでしょうし、何らかの手を使ってでも阻止したいと思っていると思われ、3月は警戒が必要だと見ています。