インターバンクディーラーの昼食(デスクで食べるのが普通)
インターバンクディーラーは、朝7時頃ディーリングデスクについてから夕方6時頃まで、基本的にはデスクを離れられません。
それは、顧客やロンドンやニューヨークなど他のセンターからのオーダーを見ていなければなりませんし、顧客がいつ何時プライスを求めてくるかわからないためです。
そしてまた、唐突なニュースなどにより、相場が昼時に突然動きだすリスクが常にあるからです。
そういう訳で、昼食は楽しみなものですが、ディーリングデスクで食べるのがごくあたり前になっています。
昔、ロンドンにいた頃の昼食の定番は、フィッシュアンドチップスとか一般に食の細いイギリス人らしいペラペラのサンドイッチでしたが、一番楽しみにしていたのが、週に一度韓国人のお弁当屋さんが売りにくるビビンバ弁当で、白いご飯のこともあってとてもおいしかったことを記憶しています。
ニューヨークにいた頃、よく食べていたのはサンドイッチでしたが、これはロンドンのサンドイッチとはボリュームが桁違いでした。
ハムとスイスチーズ(日本のプロセスチーズ)のサンドイッチを好んで食べていましたが、ハムのスライスだけで15~20枚ぐらいと、それにスイスチーズのスライスが10枚ぐらい重ねてパンに挟んであり、厚みはゆうに7~8センチぐらいはあろうかというシロモノでした。
どさんこラーメンの味噌ラーメンのデリバリーもありましたが、半透明なプラスチックのバケツのような容器にたっぷり入ってデリバリーされました。
また、なぜか金曜のランチは、皆でピザを頼むのですが、一切れが1人分で、この一切れが普通のピザの半分以上の大きさぐらいあり、これまたすごいボリュームで、米国人の大食漢ぶりを思い知らされました。
因みに、皆、ピザの表面にティッシュをあててオリーブオイルを吸い取っていましたが、ダイエットには焼け石に水だと思わずにはいられませんでした。
外資系銀行の東京支店にいた頃は、もっぱら弁当でしたが、何年もお定まりの何種類かの弁当を繰り返し食べていると本当に飽きました。
そういう訳で、インターバンクから離れて、昼食を外に食べに出られるようになった時は、本当に幸福感を憶えました。
しかし、ディーラーとして培われた常にリスクに即応するための早飯癖は、未だに直っていません。