A to Z(イメージをつなぎ合わせる)
私は、地図を見るのが大好きです。
地図を見ながら、どういうところだろうと想像するだけでワクワクしますので、安上がりなものです。
ロンドンに着任したばかりの頃、当時まだカーナビはありませんでしたので、「A to Z」というロンドン市内の道の詳細を示した電話帳のように分厚い道路地図の本を買って、それの中の何ページかを見て頭に焼き付けては、繰り返しあちこちドライブしてみました。
ジグソーパズルをつなぎ合わせるように、あそことあそこがこうつながるのかとか、ここがあっちとこうつながっていたんだと、空白を埋めていくと、いつの間にか、ロンドンでタクシードライバーでもできるのではと思う(実際は試験が難しくて無理ですが)ほど、市内に詳しくなりました。
たぶん、今でも、ロンドンは地図を見ないで、ドライブできると思います。
相場の世界でも、チャートを見ると、左から右へと進んできたチャートがこれからさらに右にどう伸びていくのかを想像するのが好きで、暇さえあればチャートを見ています。
また、政治、経済、国際、金融政策などいろいろなジグソーパズルのピースが、それぞれにバラバラにあって、頭の中でモヤモヤしているものが、あるきっかけで、パチンパチンとはまって、視野がいっぺんに開けて全体が見える瞬間は、大きな地図を見渡せたようで、実に気持ちの良いものです。
実際、こういう視野がいっぺんに開けるという瞬間を年に何度か経験しています。
相場観を持つ上で、想像したり推理したりすることが好きになることが近道なような気がします。
そのためには、耳にしたり目にしたりした情報を、その場限りにせず、憶えておいたり、記録しておくことが大事なように思います。