ミズラン(Mizlin)Part360:岡埜榮泉 [豆大福]
ミズラン(Mizlin)。これは、ミシュラン(Michelin)と私の名前をもじったおいしいお店とお宿紹介のコラムです。
虎ノ門 岡埜榮泉(おかのえいせん)
住所:東京都港区虎ノ門3-8-24
電話:03-3433-5550
意地が悪いようですが、美味しいところと良いお宿をお教えする以上、この情報をもとにご自身で探してみてください。
元祖「豆大福」の創業大正元年のお店です。
私が銀行に入って、最初に配属された支店が虎ノ門支店でした。
霞が関に近く、文部省や財務省にも近い大店の支店でした。
盆暮の官庁のボーナス時期になると、ATMがフル稼働で、預金担当の私は何度も一億円の万札を補充に走ったものでした。
外交さん(営業部隊)は、ビシッとスーツを決めて格好良かった。
テラー(窓口)の女性陣もテキパキしていて、支店全体が、生き生きとしていました。
そんなある時、外交さんが、お土産だと持って帰ってくださったのが、この岡埜榮泉の豆大福でした。
甘い大福に埋め込まれた塩梅の良い豆が、味の深みを膨らませ、実に美味しい大福です。
あのあんこの重みに耐えかねて、崩れそうな大福の危うさも、さらに美味しさを深めてくれている要素だと思います。
当時、金はなかったけれど、贅沢な生活をしていたと思います。
住んでいたのが、南青山の独身寮で、お隣が常陸宮殿下の御所で、正面が青山学院の初等部、そこから毎朝同じ支店の独身達とタクシー通勤でした。
まあ、そんな贅沢は長くは許されず、2年後には、その寮が研修寮になったため、国分寺の寮に移りましたが、良い思い出です。
支店の先輩や同期とも仲が良く、軽井沢に行ったり、戸隠へスキーに行ったり、山中湖にスケートに行ったりしました。
しかも、この時代は、まだ土曜半ドン週休1日だったのですから、世の中なんとかなるものだと思います。
また、支店の忘年会ともなると、同期と隠し芸をやったり、今の方が聞いたらどういう反応をするかとは思いますが、本人としてはとても楽しい日々を送った、まさに青春時代でした。