フローがなければトレンドは生まれない(一方向へ流れる資金があるか)
相場が一方向に動くトレンド相場になるかどうかを見極めるには、実際に一方向に流れるフローがあるかどうかがポイントです。
往々にして、実際に一方向に流れるフローがなくて、気合倒れの場合が良くあります。
たとえば、月間で最注目の米雇用統計ですが、予想より良かった場合、瞬間的に、ドル/円ではドル買いになります。
しかし、今回の雇用統計は良かったことで、海外投資家が資本を米国に振り向けるなど、実際のフローがついてこないと、一方向の資金の移動はなく、単に投機筋が買っただけのことであれば、投機筋は、利食いか損切のために必ず売らなくてはなりませんから、しばらくすると手仕舞いの売りが出ることになります。
つまり、指標の良い悪いだけでは、一方向の相場は生まれません。
経済指標あるいはイベント・事件によって、資金を大々的に他に移そうという決定を投資家なりがしなければ、トレンド相場は生まれないということです。
また、投資家等が資金を移そうと決める大きな原因には二種類あり、ひとつは前向きな投資として資金を移動させます。
そして、もうひとつは、現在資金を置いている国・地域がまずいことになった場合、後ろ向きな逃避的資金移動をさせます。
どちらが、相場に影響があるかと言えば、一目散に逃避しようとする後ろ向きな資金移動です。
したがって、今の相場が、単なる気合で動いているかどうかを類推すれば、相場の行方はおのずとわかってきます。
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