オーダーの舞台裏(厳しい教育も)
インターバンクディーラーだった頃、経験したことです
お客さんの売りあるいは買いの大口オーダーが一本どんと入るよりも、小口のオーダーが何件も集まって、その大口のオーダーと同額になるほうが、売りオーダーであれば上に突き抜けにくく、買いオーダーであれば、下に抜けていきにくいということでした。
普通考えれば、大口の一本のオーダーの方が、抜けにくそうですが、結局、小口のオーダーが集まると、ネットのような役目を果たすのかもしれません。
そして、そのため、オーダーが抜けにくいということではないかと思っています。
ところで、私のいた銀行のニューヨークのチーフディーラーは部下を厳格に教育されることで有名な方で、当時、ニューヨークのディーリングルームにいた後輩2名は、それはそれは厳しく鍛えられていました。
一番厳しかったのは、ワンタッチダンルールで、例えば、157.50に50本(5千万ドル)のオーダーをお客さんから預かったとします。
そして、もしも157.50で1本(1百万ドル)でも出合って(売り買いして)しまうと、50本全部がダン(Done、成立)になってしまうということです。
1本で50本のオーダー全部がダンするリスクを避けるため、157.50手前で売ることで上げをとめ、下がれば買い戻して、157.50手前でまた売るということを繰り返し、最後は、自分で157.50を買って、すべてをダンにさせるというやり方をしていました。