7月に備えて(過去大幅調整の時期)
(今朝5:18のメルマガコラムから)
以前にも申し上げましたが、ドル/円は、大きく上昇を始めた2022年以降、調整局面が4カ月サイクルで来ているというお話をしました。
より具体的に申し上げますと、2022年7月から調整が4カ月おきに起きており、時期と調整下げの下げ幅は以下の通りです。
2022年7月 8円50銭
2022年11月 20円
2023年3月 7円
2023年7月 7円
2023年11月 11円
2024年3月 4円
と、値幅にばらつきがありますが、きれいに4カ月サイクルを描いています。
そして、さらにわかったことは、このタイミングの中で、7月は8月の夏休み前の大口プレーヤー(CTA?)のポジション調整、11月は12月後半のクリスマス休暇前のやはり大口プレーヤーのポジション調整が発端のようでした。
そして、3月は2023年の場合は米シリコンバレーバンクの破綻に端を発した欧米の金融危機が材料になり、2024年は、理由はあとから日銀のマイナス金利解除がついてきて、3月は7月と11月ほど、季節要因に頼っているわけではないことが言えるようです。
まあ、いすれにしましても、何らかのきっかけを持って、4カ月サイクルで、ドルの下げ調整となっているところに便乗して、海外投機筋が売り場に使っている実に作為的なサイクルだと最近思っています。
その理由として大きいのは、いくらドルを下げたくても、日米の金利差が5%以上もあるため、ドルのショートを常時もっても、スワップコストがかかるばかりになるため、海外投機筋は調整の4カ月サイクルを利用して、一点集中型で短期決戦の売りトライしているものと考えています。
つまり、極めて作為的な下落相場が4カ月おきに起きていると見ています。
そして、それが正しいなら、直近で言えば7月が、またしても、集中的な売りの砲火を浴びる可能性が高いと見ています。
因みに、5月と6月については、2022年、2023年共に上昇局面で、ほっておくと上がりやすい時期のようで、今年の場合も為替介入はあっても、実需のドル不足のドル買いや、個人のドルでの運用が活発になっていたり、あるいは、ネットフリックスなどのサブスクの米本社への代金送金のためのドル買いなどから、上昇は止まらないと見ています。
しかし、この5月・6月の上昇にマーケットが慣れると、ロングポジションが積み上がり、7月になってもろくも相場が崩れるということに、今年もなる可能性は高いと見ています。
つまり、なにも心の準備ができていないと調整幅が大きくなるのであれば、あえて7月は要注意と事前に、いろいろな機会を通じて注意喚起すれば、少なくとも調整の下げ幅は狭められるのではないかと考えています。
実際、2024年3月の場合、3月に調整が起きる可能性を注意喚起したところ、シカゴIMMの円売りポジションはそれまでの中で一番大きかったにも関わらず、4円の下げで済んでいるということが実際に起きています。
従って、これから、7月に対する注意喚起を地道にやっていきたいと考えています。