バケツリレー(ジリ高相場のメカニズム)
上昇と言えば、派手に上がるため、急上昇が一番目立ちますが、実は、一番怖くて、しかも上げが最長になるのがジリ高です。
ジリ高になる発端は、なにか原因なり理由があって相場が急落し、それを見てこれはもう売りだと確信するところから始まります。
しかし、底値圏で売るのは躊躇され、少しでも上に戻ったところを戻り売り(逆張り)しようとします。
しかし、下げたところから上に戻るということは、既にマーケットは売り過ぎて、下がらなくなっていて買戻しが起きているわけで、そこでまた戻り売りすれば、さらにショートになるため、渋々買戻しが起きます。
しかし、少し上がったところでは、また新たな人が売って、やっぱり下がらず買い戻す、しかし、また上がったところを売る人が出てくるという、いわばショートポジションのバケツリレーが続き、ショートは減るどころか、むしろ増えながら、ジリジリと上がります。
中には、力で下げさせようとするところも出てきて、強引に売りますが、やや下げてもマーケットがショートのため買戻しが出て、上に押し戻されます。
いわば、もがけばもがくほど沈んでしまう泥沼状態になります。
この泥沼状態が解消するためには、ショートポジションが一気に解消することが必要です。
つまり、急騰して、ショート筋が一気にロスカットすると一服となります。
しかし、今のドル/円のように介入警戒があると、なかなか一気に買い戻すこともためらわれ、そのためショート筋にとっては生き地獄が続くことになります。
こうして、延々と最長の上昇相場であるジリ高は続くことになります。
このようにジリジリと上がる相場が始まって、もしショートをお持ちであれば、躊躇なく手仕舞うことが、唯一の脱出法です。
それでは、ロングでジリ高相場に乗るなら、やはり、買戻しに上げ足を早めたら、いったん利食うことが賢明です。
だいたい、上昇スピードが速まると、強引に売り下げようとする向きが出て、一時的に下げるため、その下がったところで、また丁寧に買っていくことが賢明です。