滔々とした流れ(円安トレンドは簡単には終わらない)
(今朝5:12のメルマガコラムから)
昨日は、クロス円はじめドル/円も、大挙して円安の調整相場となりました。
しかし、年初来のドル/円の日足チャートを見ますと、1月2日の141.00近辺を安値に、4月29日には、一時160円台をつけるまでに上がりました。
そして、日足の実体(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)で見ても、現状157円前後まで戻し、きれいなジリ高が続いています
この日足チャートを見るにつけても、円からドルへの資金の流れは、滔々と続いていることがわかります。
それが、繰り返し申し上げて、耳にタコができてしまったかもしれませんが、その原因は日本のドル不足のドル買いです。
一応、復習の意味でその内容を申し上げますと、この問題の原因は多岐に渡っていますが、大きくは以下の三つです。
1.実需のドル不足のドル買い
日本は、輸入に大きく依存しており、海外から、原材料や製品を大量に輸入しています。この代金の支払いは主にドル建てで行われており、最近特に資源高や円安が原因でさらに多くのドルを買わなければならなくなっています。
2.個人のドルを中心とした外貨運用に伴うドル買い
現在、日米金利差が政策金利で5%を超えているため、個人が、FXであったり、外貨定期預金であったり、外国株、外国債券、外貨建て保険を買うために主にドルを買っています。
3.デジタル赤字
ネットフリックス、アマゾン、ディズニーのサブスク(定期的な使用料)に支払われた代金を、米国本社に送金するためにドル買いが恒常的に発生しています。同様に、企業・個人が借りているグーグルやアマゾンのサーバーの使用料の米国本社への支払いでもドル買いが発生しています。これを、デジタル赤字と最近呼ばれるようになりました。
こうした問題が、相場に反映されはじめたのが、2年前の2022年からですが、さらに週足チャートでみますと、上昇トレンドはより滔々とした大河であることがわかります。
そして、週足チャートをさらに子細に見ますと、調整的な下げ局面を繰り返していますが、段々と調整の下げ幅が浅くなってきていることがわかります。
つまり、下げづらく上げやすくなっていると見ています。
さらに申し上げれば、特に2023年の年初以降、海外投機筋がなんとかして、上昇を食い止めようとしてドルを売っていますが、むしろそのためにショートができることで相場を踏み上げる力となっています。
繰り返しになりますが、日本国内にいれば、こうした事情は、海外よりはるかにわかりやすく、そのために本邦勢に優位性があります。
いくら海外投機筋が売り込んでこようとも、冷静に対応すれば、本邦勢に分があると見ています。