ハインリッヒの法則(ヒヤリ・ハット)
この法則は、もともと労働災害の事例の統計を分析した結果、導き出されたものですが、トレーディングにも応用が利くと思われますので、ご紹介します。
ハインリッヒの法則は、1件の大きな事故・災害の陰には、29件の小さな事故・災害があり、さらにその陰には300件のヒヤリ・ハット(事故・災害には至らなかったが、ヒヤリとしたり、ハッとした事柄)があるというもので、1:29:300の法則とも言われています。
これを、トレーディングに当てはめてみますと、1トレードの大きな負けの陰には、29トレードの小さな負けがあり、さらにその陰には300トレードのヒヤリ・ハットがあるということだと思います。
つまり、大きな負けの発生は、あくまでも氷山の一角に過ぎず、その発生に至るまでには、いろいろなミスや、損切りをためらってしまいがちとか、損切っても熱くなって再度エントリーしてしまうことがあるといったトレーディングスタイル上の問題点が積み重ねられているということです。
大きな負けの発生を防ぐためには、日頃の細かいミスや不注意、その他の「火種」を見逃さずに、きちんと対策を講じることが必要です。
特に、「ヒヤリ・ハット」の段階では実際には負けていないため、どうしても、その対策は後回しになりがちです。
しかし、人間ドックのような予防医学と同じように、負ける前に自分自身のトレーディングスタイルの長所、短所を自己分析し、直すべき点は直しておくことが、結局は大きな負けを避けることにつながるのではないかと思います。