往って来い(投機筋の相場)
たとえば、買って、ある程度上昇したと思ったら、下げに転じ、結局スタート点まで戻すことを往って来い(いってこい)と言います。
同じ意味で、往来(おうらい)相場という呼び方もあります。
相場には、上げたら上げっ放し、下げたら下げっ放しという相場もあるのに、なぜ往って来いになる時があるのかを、考えてみたいと思います。
上げっ放しなり下げっ放しと往って来いの違いは、上げっ放しなり下げっ放しの場合は、資金のフロー(流れ)が上げ方向ないし下げ方向に継続的に生じていることから起きます。
この一定方向への資金のフローは、ほとんどの場合、投資家や実需による資金移動が長期間続くことから起きます。
一方、往って来いは、投機筋が中心になっている相場で起きます。
投機筋の宿命として、利益あるいは損失の確定のために、売ったら利食いなり損切りで買わねばなりませんし、買ったら利食いなり損切りで売らなければなりません。
そのため、資金のフローは、一定せず、上げれば下がり、下がれば上がるという、往って来いになります。
逆説的に言えば、往って来いをする相場は、投資家・実需不在の投機筋中心の相場ですので、それに対応したトレーディングである「早くマーケットに入って、早く出る」ということが大事になります。
この往って来い相場で、過度に上げなり下げなりに期待を持つことは、往っての後の来いの相場に巻き込まれることになりかねませんので、十分警戒する必要があります。