身構える(ビッグプレーヤーの手仕舞い)
(今朝5:11のメルマガコラムから)
過去2年間、3月、7月、11月という4カ月おきにドル/円は調整相場を繰り返しており、4カ月おきの調整サイクルとして、皆さんに注意喚起してきました。
特に、今7月ですので、この7月について、過去何が起きたかを、振り返ってみますと、2022年の7月の場合は、7月28日の午前3時のFOMCで、0.50%の利下げが発表されましたが、材料出尽くしとされ、大量のドル売りが出て、ドル/円は8円50銭急落しました。
2023年の7月の場合、7月7日の21時30分発表の米雇用統計が若干弱かったことを理由に、大量のドル売りが出て、7円の急落をしました。
いずれの場合も、ビッグプレーヤーと言われる米CTA(Commodity Trading Advisor、商品投資顧問業者)と呼ばれる一種のヘッジファンドが大口ポジションを手仕舞ってくるところに、日々の海外投機筋が追随して売って下げているものと見ています。
CTAは、3カ月~半年といった長期でポジションを張りますが、8月の夏休み前、12月のクリスマス前には、休暇を相場から離れてゆっくり過ごすために、手持ちのドル/円のロングポジションを完全に手仕舞ってきているもようで、そのため大量のドル売りが出るものと考えられます。
これに、売ることしか知らない海外投機筋が便乗して売るため、さらに下げ幅が大きくなるものと見ています。
2022年と2023年の場合、本邦勢はその事情が分からず、油断してロングを抱えたまま、この大きな売り浴びせに遭い、大きくやられ、回復に4週間かかりましたが、実需のドル不足のドル買いがこの間もでていましたので、結局はもとに戻り、さらに上昇しました。
こうした経緯がありましたので、今回は、5月終わり頃から、たびたび注意を喚起してきました。
そして、今年の場合、個人の外貨運用のブームとなっているため、ドル買いがこれまでよりもでてきており、大きなクッション役となっているものと見ています。
従って、下げて3~4円、回復も2週間ぐらいで済むのではないかと見ています。
尚、CTAが実際いつ手仕舞うかは、CTA自身の匙加減ひとつですので、今日の米雇用統計ではなく、他の重要指標やイベントが使われる可能性もありますが、「備えあれば憂いなし」ですので、本日についても、油断することなく身構えておくことが大事だと思います。