確信犯(頑なな相場観)
確信犯とは、道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪のことを言います。
相場の世界でも、結構、マーケットが確信犯的になっている地合があります。
好例としては、1985年のプラザ合意以降の貿易不均衡是正を狙った、ドル安円高相場です。
1985年9月のプラザ合意前後の240円から10年後の1995年4月の80円までの10年間で、160円ものドル安円高が進行しました。
こうなると、マーケット参加者の多くが、「ドルは下がるもの」という確信を強めることになり、ドルが上がれば「絶好の売り場」、下がれば「神が与えてくれた最後の売りのチャンス」、つまり上がっても下がっても、売ることしか考えられない確信犯となりました。
しかし、これにより、常にマーケットにはショートポジションが大きく滞留することになり、そのために相場が下げきれなくなり、むしろたわいもないことにも反応して、ショートカバー(買戻し)が入りやすくなってしまいました。
そして、結局、儲からないトレーダーは、マーケットからの退場を余儀なくされました。
このことからわかりますように、トレーディングには臨機応変さが必要になるわけです。