野望をくじくには(SHTに対抗するために)
(通常、午後一番にお送りするコラムですが、早めにお送りします)
昨年だったか、シンガポールに拠点を置く、米投資銀行のアナリストが、確かその当時ドル/円が148円とかだったと思うのですが、真顔で125円に行くと言っていたことがありました。
そして、今回、ドル/円160円近辺から落ちてきた過程で、SHTの急落への貢献度は極めて高く、そして、先週月曜に141.69まで下げていったんの底をつけた後も、SHTは依然として売りの手を休めておらず、彼らの125円まで下げようとする本気度は、尋常ではないものを感じます。
基本的な相場観から言えば、161円台から20円落ちた相場は、ある意味、エネルギーを出し切っていますのでレンジ相場になり、エネルギーをチャージする地合となり、個人的にもその可能性が高いのではないかと見ています。
しかし、一方では、海外勢が「円キャリートレードの巻き戻し」の大キャンペーンを張り、猛烈に売りたがっていることも知っています。
実際、過去2022年3月以来の相場は、波動を描きながら上昇してきた相場で、その原因には日本のドル不足のドル買いというものがありました。
しかし、彼らは、トレーダー感覚で、上がった相場には必ず調整があると、執拗に売り続け、確かに3月・7月・11月に調整的な下げのサイクルが繰り返しありました、
しかし、その調整が一巡するとまた上がり出し、なんと2022年3月の115円から今年の7月時点の162円接近まで47円のドル高円安となりました。
それに業を煮やしていたSHTなど海外勢は、ここにきて売りの総攻撃となり、特にSHTの売り方に異常なものを感じるまでになっています。
そういった状況ですから、決して「下げもそろそろ終わったか」として買うことは避けるべき時です。
今回の20円の下落相場は、確かに政府・日銀の介入もあり、米CTAの夏休み前のロングの手仕舞い売りもありましたが、一番傷口を広げることになったのは、本邦個人投資家層の買い下がりという逆張りです。
私は、ヒロセ通商さんの注文情報というもので、オーダーの状況を見ていますが、下げの過程でロングのストップロスが並び、これはマズイと思った矢先から、海外勢に全部つけられました。
そして、問題なのは、その下に、さらに新たなロングのストップロスが湧くということが繰り返され、これにより相場は戻りもないままにどんどん下げていきました。
現状、多い問い合わせは、ここにきて下値が切り上がっていて、これが日本のドル不足のドル買いなんでしょうかとかといった、先にも述べました「下げもそろそろか」論が増えていることです。
これでまた、値ごろ感からロングが出来れば、また重くなり下がります。
しかも、今週は、13日に米PPI、14日に米CPI、そして突発的に中東情勢が緊迫化する可能性もあり、要は海外投機筋が売るためのエクスキューズ(言い訳)はごまんとあります。
決して買うタイミングではありません。
それではどうすればいいか、本来的にはレンジ相場ですので、様子見が良いですが、手持ち無沙汰になるとまた買い下がってしまいますので、これまで繰り返し申し上げている「売りでも、買いでも、波に乗り、さっさと利食う」という順張り方式をしてみてはいかがでしょうか。
最初から大きな勝ち幅を狙うのではなく、数ポイントで良いですから、勝つことに固執してください。
そうやって、勝ち癖がつけることで、勝ち慣れ、勝ちの場面をいろいろ経験するといろいろな応用力が出来てきます。
特に、SHTの売りなどに逆張りで対抗するとものすごい圧力を受けると思いますが、順張り方式で売ると全く抵抗がなく、無理なく儲かります。
それを繰り返しながら、段々に勝ち幅を広げていくことです。
こうして、本邦勢のトレード方式が逆張りから順張りに転換するだけで、SHTの野望をくじくことになると思います。
真剣に、トレード方式の転換をお願い致します。
尚、相場が反発するためには、マーケットのポジションがドルショートになる必要があり、そのためにも、SHTの売りに抵抗せず、彼らに売らせるだけ売らせれば、大きな反発力が出てきます。
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