節操のなさも相場には必要(自分の相場観に固執しない)
相場展開のストーリーを考えることは、とても大事です。
しかし、相場を構成するいろいろなファクターは、常に変化していることを、決して忘れてはなりません。
ファクターが変化している以上、当初考えたストーリーは、常に軌道修正する必要があります。
それは、はたから見れば、節操がないように見えることもあるかもしれません。
しかし、相場の見方を常にリアルタイムのマーケットに合わせて行こうとすれば、その節操の無さも必要です。
私が、ロンドンから東京に戻ってきた頃は、プラザ合意の後の急落相場がまだ続いていました。
そんな時に、有名ディーラーと呼ばれる方たちと親交ができ、個別にお話しさせて頂く機会を得ました。
彼らに共通してすごいと思ったことは、自分の相場観に固執しないことでした。
そして、間違ったポジションを持っていると自覚したら、舌の根も乾かぬうちに、どんどんポジションをひっくり反していくところでした。
固執しないことによって、損失は限定され、収益機会を増やすことになるわけです。
言い換えれば、目先の損失を確定することを恐れるがままに、収益機会を失っていることが多いと言えます。
したがい、自分の相場観を持つことは大切ですが、同時に状況に応じて自分の相場観を臨機応変に切り替えられる節操のなさも兼ね備えることが必要です。