日本のドル不足のドル買い(事実を見る)
10月の見通しとして、11月の米大統領選挙を控え、様子見気分が強まり、ジリ高レンジ相場になるとと申し上げましたが、順調にそれが進行してました。
なぜ、ジリ高レンジ相場になったかと申しますと、本来様子見相場になると、投機筋の足の引っ張り合いになって、その結果、レンジ相場になりますが、現在の相場は、日本のドル不足のドル買いのドル需要が連綿としてあることから、このフローに押されるため、ジリ高になり、結果としてジリ高レンジ相場になるわけです。
ご存じのように、連日、ニューヨーク勢はアジアの朝に向けてドル/円を売り、アジアタイムは今度はSHTが売り、そして、欧州タイムになるとロンドン・ホラー劇場(LHT)でロンドン勢が売るという、まさに寄ってたかって大量にドル/円を売っても、ジリ高が続くこと自体、いかに日本のドル不足のドル買いが止めどなく出ているかがわかります。
今年は、7月から9月までで、22円の急落を見ています。
しかし、気がつけば、連日売られながらも150円台に戻してきていることは、空恐ろしいものがあると思います。
日本のドル不足のドル買いという多岐にわたる構造問題を手つかずのままで、口先、実弾合わせての介入をこれまで財務省は行ってきましたが、いくら介入で威嚇したところで、日本のドル不足のドル買いを抜本的に変えないと、いつになってもドル高円安は終わりません。
日本のドル不足のドル買いの構成要因の一つであるデジタル赤字ひとつとっても問題は極めて深刻です。
このサブスク(定期購読料)的なものによるドル買いが、日本全体の原油輸入額に匹敵しているという事実を、財務省が気づかないはずはないと思います。
この元を断たねば、終わらないことは明白です。
また、このデジタル赤字は、各家庭、企業に浸透していることが、問題をさらに深刻にさせています。
つまり、多くの国民にとって、サブスク等が日々の生活になくてはならないものになっていること自体が、問題解決を難しくさせていると思います。
こうした国内の事情など全く知らずに、日米金利差を伝家の宝刀にドル/円を売りまくる海外投機筋は、結局は駆逐されていくものと見ています。
トレーダーは一時情報(事実)を見ずに、憶測で動いていることが多いですが、少なくとも日本のドル不足のドル買いについては、冷静に見ていく必要があります。
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