ストックホルムでのひとこと(人脈作り)
ロンドンに駐在して1年ぐらいが経った頃、北欧出張を命ぜられ、フィンランド、スェーデン、ノルウェーに行きました。
当時、まだまだ、ディーラー2年生というジュニアの時期でした。
スェーデンでは、北欧で一番大きな銀行のストックホルム本店を訪問しました。
会って下さったのは、その銀行のディーリングルームの為替チーフディーラーでしたが、ディーラーらしい精悍な感じの方で、大きなディーリングルームを案内してくださいました。
その際、私が、北欧の通貨バスケットのメカニズムについて質問したところ、そんなことまで俺に聞くのかとご機嫌を損ねてしまいました。
そして、ひとこと、チーフディーラーから言われました。
「お前が、俺と会えるのは、お前の銀行に、ミスター宮沢(仮称)がいるからだ。覚えておけ」
大変恐縮するとともに、大先輩である宮沢氏の顔の広さに驚きました。
大先輩は、私にとっては雲の上の存在でしたが、情報通として広く知られていました。
しかし、まさかここストックホルムにも、これだけタイトなコネクションを持っておられるとは、思ってもみませんでした。
こうした横のつながりを世界中に張り巡らせ、貪欲に収益チャンスを狙っておられる大先輩の姿勢に、実に多くのことを学びました。