乖離幅(移動平均線と実勢値)
日足の5日移動平均線とか、週足の5週移動平均線といった、それぞれの期間の中では短い移動平均線と、実勢値との間の乖離幅が大きくなると、実勢値は、それら短期の移動平均線に吸い寄せらる特性があります。
そのため、トレンド相場で方向性がはっきりしていても、こうした乖離幅が大きければ、一時的にせよ調整が入りやすくなりますので、十分な注意が必要です。
ただし、乖離幅が大きくて実勢値が短期の移動平均線に、たとえ吸い寄せられ、トレンド方向に逆行するような動きをしても、5日移動平均線なら5週移動平均線が、依然トレンド方向に鋭角的向かっている間は、一時的にそれら短期線を突き抜けることはあっても、結局はトレンド方向への動きを再開するものです。
しかし、5日移動平均線や5週移動平均線のトレンド方向への角度が緩み、さらには、水平になったり、トレンド方向の逆に向いてしまうようになると、トレンドをサポートする力は弱まり、相場が反転してしまうようになります。
つまり、5日移動平均線や5週移動平均線と実勢値との乖離幅や、それぞれの移動平均線がトレンド方向に向かう角度から、相場の方向性やトレンド相場の勢いを結構読み取ることができます。
また、もっと短い1時間足などでも期間5という移動平均線は、結構重宝です。
また、いったん、たとえば5日移動平均線がトレンドの逆に抜けてしまっても、10日移動平均線という期間10の移動平均線が次の抵抗線となります。
今回は、期間5、期間10といった短期線について触れましたが、移動平均線は、短期のみならず、中期でも長期でも大変有用です。
たとえば、こんな例もあります。
月足の200ヶ月移動平均線が実勢値の進行を食い止めてしまうことすらあります。