ステール(stale)(新鮮でない)
ステール(stale)とは、新鮮でないとか、気の抜けた、ひからびたなどといった意味ですが、ディーラーの間でよく使われる言葉です。
「(注目されてきたテーマや材料など)それは、もうステールだ」という使い方をします。
相場は生ものですから、いつまでもひとつのテーマの鮮度が落ちないということはなく、遅かれ早かれステールしていくものです。
後生大事にひとつの見方を続けていては、変化している実際のマーケットの動きについていけなくなります。
良い例が、1985年のG5による対米貿易不均衡是正を狙ったドル安誘導を決めたプラザ合意です。
この合意以降、ドル/円は大急落相場となりました。
これによって、ディーラーの思考は完全にドル売りに偏りました。
上がれば「良い売り場」、下がれば「ここを売らずしてどこで売る」といった具合に、なにがなんでもドル売りでした。
しかし、年月が経つに、このテーマもステールし、下がるばかりでなく、大幅に反発する局面も出てきて、ドル売りでしか対応できなくなったディーラーの多くが損失を出し、マーケットから退場していきました。
このように、テーマや注目材料の鮮度は、常にチェックし、自分自身の考え方を切り替えて行かなければ、命取りになります。
ステールになっているかどうかの判断のコツですが、注目されているはずのテーマや材料にとって、フェ-バー(有利)な要人発言や経済指標の発表があっても、素直に相場が反応しなくなって来た時です。
反応の仕方が難しくなってきたら、鮮度が落ちてきていると見るべきだと思います。