温度差(内外の違い)
暑い季節になると思い出すのは、外資系銀行で働いていた頃の出来事です。
白人と日本人との間で、体感温度が違います。
一般的に、白人は暑がり、日本人は寒がりで、オフィスの温度を白人が暑いと言って温度を下げると、日本人にとっては寒く、今度は日本人が温度を上げるといういたちごっことなり、そのうち短気な白人が怒り出し、とうとう、マネジャーからエアーコンディショナーの温度は勝手にいじってはならないというお触れが出る始末でした。
また、以前、英国に駐在していた時に、気温10℃ぐらいの海岸で海水パンツだけで日光浴しているイギリス人を見たことがありますが、やはり体質が違うと思わずには入られませんでした。
しかし、そういう私自身も、気温の上がらない英国に何年か暮らしているうちに毛穴がふさがってしまったらしく、東京に戻ってくると、何しろ、オフィスも電車の中も何もかもが暑く感じられたものです。
逆に、東南アジアに駐在した人が日本に帰ってくると、寒くてたまらないということになります。
このように体質と気候への順応に伴う温度差がありますが、マーケットの世界でも、ひとつの材料に対する内外の見方に温度差があり、自分たちが適当と思っている解釈でも、他の地域の人々にとっては、不適当で全く違った反応を示すことがよくあります。
特に、日本のメディアはヒステリックに騒ぎ立てるために、たとえばG7に対する見方など、東京だけで暴走することがあり、実際蓋を開けてみたら、全く違った反応が返ってくることも、よくあるものだと思っておくべきでしょう。
したがって、内外では温度差があるものだという前提に基づいて、新聞やネットから、該当する事柄について外がどのような見方をしているのかを知るように心掛けるべきではないかと、個人的には思っています。
そのためには、やはり、今や国際共通語となった英語を完璧である必要はありませんが、それなりに身につけることが大切だと思います。