キャピタル・フロー(資本移動)
キャピタル・フロー(Capital Flow)とは、資本移動のことです。
常々、「(長期のトレンド性のある)為替相場は、資本移動によって動く」ということを申し上げてきました。
それを、私自身が実感として重要だと思うようになったきっかけが、ニューヨーク勤務の時にありました。
当時ソロモン・ブラザースという米系投資銀行(後にシティーと合併)でトレーダーをしていた韓国人のIN(仮称)さんと知り合いになり、具体的な資本移動を教えて頂いたことが大変大きかったと思います。
さすがに、ソロモンは米系投資銀行のことだけのことはあって、資本移動が、いつどこからどこへどれくらいの規模で起きるかということを、把握していました。
一番多かったのは、米国と欧州間での資本移動で、ものすごい金額が、あるときは米国から欧州へ、またあるときは欧州から米国へ一方向に流れ、それによって、対ユーロで為替がドル売りになったりドル買いになったりする様を、目の当たりにすることができました。
INさんからの情報は、内容が機密性の高いものも少なくなく、単に電話越しに「買ってください」とか「売ってください」といった、ごく短い言葉であったこともよくありましたが、それを裏打ちするだけの資本移動を彼は目の前で見ているわけですから、情報の信頼度は高く、素直に流れに乗ったものでした。
彼と知り合う前、資本移動が見えない中で、こんなこともありました。
ある欧州の銀行が、ドル/独マルクの大口のプライスを聞いてきたので、プライスを出して相手が買ってきた途端、相場は100ポイントジャンプ・アップし、これは何かあると、100ポイントアゲンストのポジションを買い戻すと同時に、買いのポジションを倍作りました。つまり、3倍返しです。
そして、相場はさらに200ポイント上昇したところで、買いポジションを手仕舞い、難を逃れることができました。
このように、資本移動が相場に大きく影響を及ぼすことは、お忘れにならないようにしておいてください。
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