突発的リスクへの初期動作(どうやって損失を最小限に留めるか)
相場でポジションを持つということは、リスクに常にさらされるということです。
特に、事件・事故のような突発的なリスクの発生に対して、どう対処するかという初期動作をあらかじめ決めておくことは、大変大事です。
なぜなら、冷酷なようですが、相場の世界では自分で自分を守るしかないからです。
実際その突発的な事態による損失を最小限にとどめる初期動作として、事前に準備しておけることは、現状の水準より遠くてもいいですから、ロスカットを常に入れておくことです。
ただし、たとえロスカットを入れていても、パニック相場では、流動性が極めて低下し、指した値段よりも悪いレートでしかロスカットが実行されないことがあることも、マーケットではありえます。
それでも、ロスカットが実行されたことに安堵するような相場もあるということです。
外銀にいた頃、なんの事件か忘れましたが、突発的な事件が発生し、自分が指した値段のロスカットが、ニューヨークで、百数十ポイント上でついたことがありましたが、翌日の東京では、すでにそのロスカットが実行されたレベルからさらに200ポイントも上昇しているのを見て、ホッと安堵したことがありました。
常にロスカットを入れておくことをお勧めしますが、もしも、ポジションを持っているけれどロスカットを入れていない状況で、突発事態が発生した場合はどうすべきかですが、アゲンスト(不利)なポジションであれば、現状レベルがいくら持ち値とかけ離れていても、躊躇なく切ることです。
突発的な事態の発生時においては、マーケットが突然のリスクから一目散に逃れようと死に物狂いになっていますので、どんなプライスでも叩いてきます。
こんな時は、ためらわずに、早くポジションを閉じ、マーケットからゲットアウト(出る)することが、結果的には自分の身を守ることにつながります。
また、今のことは、もし離れたロスカットを入れていて、まだついていない場合でも同じで、ロスカットがついていないと安心せずに、状況は上記と変わりませんので、自ら躊躇なく切ってしまうことが大事になるわけです。
リスク管理と言えば難しそうですが、どうやってリスクから逃れ損失を最小限にとどめるかと考えれば、自ずと突発的なリスクへの初期動作は見えてくると思います。
最後に付け加えておきますが、ふとんをかぶってやり過ごしうまく行く時もあるかもしれませんが、経験的にはやり過ごせなかった時のほうが多かったと申し述べておきます。
世界が相手の為替市場だけに、リスクのスケールも大きいですから、十分ご注意ください。
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