にわかロング(コストの悪いロングになりがち)
ディーラーの間で、よく使う言葉です。
よくある状況は、売りで攻めたけれども、下げきれず大きく踏み上げられて、ロスカットしたとします。
損失を被ったディーラーは早く取り返したいと心中は穏やかではなく、相場も高止まりしているので、買いで取り返してやれとばかりに、にわかに(突然に)ロングで入りなおそうとします。
しかし、高止まりしている理由は、マーケットの大勢もまた同じようにショートで攻めてダメで、買い戻したことによって相場は上がったのに過ぎず、マーケットのポジションはショートは切れたものの、ロングになってはいないため、高止まりしているのに過ぎません。
そういう状況で、にわかロングが増えるということは、つまり高値圏でコスト(持ち値)の悪いロングが短時間に急速に増えること意味しており、今度は下落リスクが生じ、場合によっては往復ビンタとなる可能性が高まります。
特に、こうした傾向は、レンジ相場の地合いでよく見受けられます。
当初の売りをやめて、買いで入りなおすかどうかの判断は、今がトレンド相場なのかレンジ相場なのかで違ってきます。
トレンド相場であれば、勢いを持ってトレンド方向に進んでいるのであれば、買いで入りなおすのも有効です。
しかし、ある一定の値幅の中での上下動を繰り返すレンジ相場の場合には、いったん様子を見ることが大切です。
レンジ相場では、「売りがダメなら、買いで行け」というのは、傷口を広げるばかりになりますので、特に注意する必要があります。