mature(マチュア)
mature(マチュア)は本来的には、(生物が)生育しきったとか、(果物が)熟したといった意味ですが、マーケットでも、「この相場は、マチュアしている」といった使い方をします。
その意味は、「相場が若い」とは対極で、一相場の終わりに近いあるいは終わっているという時に使われます。
つまり、一相場をやるだけやってしまったという状態で、いくら今までのトレンドをフォローするような材料が出ても、反応が鈍かったり、場合によっては、逆に反応してしまうことすらあります。
ポジション的に言えば、今までのトレンドに乗ってできたポジションがもう一杯一杯になっていて、それ以上に新規のポジションを受け入れる余地がなくなっている、いわゆるパンパンの状態で、こうなると残された道は、ポジションが減る方向しかありません。
ポジションの減る方向にも、短期間に爆発的にポジションが減少するロスカットの集中の場合と、長い時間を掛けて揉み合いながら解消していくレンジ相場とに分かれます。
ロスカット集中型は、短期的な痛みが伴いますが、早期に新しいトレンドに入る回復力が相場自体にありますが、長い時間を掛けてレンジを形成しながら揉み合う場合、短期的な痛みは伴わない反面、長いレンジ期間を要することになります。
私は、個人的には、痛みを伴ってでも、早く回復するほうが好きです。
ちょっと例が相場から外れますが、私がニューヨークにいた頃、世界最高クラスの銀行である、ニューヨークに本店をおくシティーバンクが、経営難となり、株価は暴落、いつ倒産するかという噂が飛び交うまでになりました。
そのときシティーが取った手は、売れるものなら、本店ビルから何まで売りまくり、倒産が噂された翌年には、黒字転換するまでに、まさにVの字カーブの回復を短期に達成しました。
これは、トレーディングでも同じだと思います。自分のポジションは可愛いからと苦しみながらも、相場の回復を待つよりも、ロスカットによって、一時的な痛みを伴うけれども、次のことが出来るチャンスを持つほうが、選択肢が広がると思います。
相場は、これ一回限りではありませんので、ひとつのことに固執することはないと、個人的には思います。