手強いチャイニーズトレーダー(今も変わらない)
私は、かつて(35年ぐらい前)ケーブル(GBP/USD、ポンド/ドル)ディーラーでした。
その頃の東京では、ドル/円のみならず、USD/DEM(ドル/独マルク)、USD/CHF(ドル/スイスフラン)、ケーブルなど他通貨でも、かなり活発な取引がインターバンクで行われていました。
ケーブルのマーケットも、香港、シンガポールベースの米系銀行も交えて、東京タイムは活発に取引が行われました。
と言っても、ポンド建の実需の取引はほとんどありませんでしたので、ほぼ全部が投機の取引でした。
香港、シンガポール勢は米系銀行とは言っても、実際に担当しているディーラーはチャイニーズが中心で、チャイニーズディーラーの手強さを身をもって体験しました。
彼らは、なにしろアクティブで、また、市場心理を読むのに長け、意表を突いた手口で東京勢を執拗に攻め立ててきました。
よくあったトレーディングパターンは、東京勢に向けて集中的に売り込んできて東京勢をロングにさせおいて、さらにマーケットプライスを押し下げ、東京勢がたまらず投げに出てきたところを、一斉に東京の銀行を呼んで買い戻すという手口で、赤子の手をひねるがごとく東京勢は良いようにあしらわれていました。
儲けるチャンスがあると思えば、とことんやってくる手強い相手ですので、十分警戒しておくべきかと思います。