マーケットを壊さないように(大きく取引する時)
ポジションメイク(ポジションを作る)は,慎重に行われるのが一般的ですが、たとえば10億ドルの超大口のポジションを作るときには、「マーケットを壊さないように」と、より慎重に行われます。
この「マーケットを壊さないように」とは、どういうことなのかお話してみたいと思います。
一時に超大口の売りなり買いなりをすると、いっぺんにマーケットが、売りだらけになったり、買いだらけになって需給バランスが崩れてしまいます。
たとえば、超大口の売りがいっぺんに出ると、何か大きな売りが出ていると、瞬く間に他のマーケット参加者が気づき、買いが引いてしまいます。
そのため、大きく売ろうとしても、買いが引いてしまっているため、わざわざ安いプライスでしか売れないということになってしまいます。
そのため、マーケットの買いが引かないように、静かにゆっくりと、つまり「マーケットを壊さないように」売ることになります。
超大口ともなると、それこそ1週間がかりで売ることもあります。
また、たとえば、売る前にマーケットで少し買って、買い気が強いとマーケットに思わせておいて徐々に売ったり、実際にマーケットの買いが強い時に、あえて売るということも、マーケットを壊さないようにするために行われています。
こうして、隠密裏に静かに超大口の玉を売り終わると、もちろん、その売りを抱えてしまってロングになった多くのマーケット参加者がいるわけで、ボディーブローのようにそのロングの重みがズシリと効いてきて、その後、突然相場が崩れることがあります。