パイオニア(先行者)
相場の転機は、なかなか推し量れるものではありません。
したがい、いち早く新しい相場つきになってきたことを気づき、「相場が変わった」と新しい相場に見合ったポジションを持てる人間は、そう多くはありません。
これによって得た利益のことを、皆様もご存知のように、先行者利益と言い、競合する者が少ないこともあり、結構な儲けになることがあります。
もちろん、パイオニア(先行者)は、大きな利益のチャンスを持つのと同時に大きなリスクも抱えています。
人に先んじてポジションを持つにしても、それが早すぎれば、タイミングが合わなくて、一時撤退を余儀なくされることもあります。
また、自分が思い描いたストーリーが、根本的に間違っていて、損失につながる場合も、もちろんあります。
したがって、タイミングをじっくりと待てる胆力と、合理的なストーリーの組み立てができるようになる必要があります。
ストーリーの組み立てのコツは、中長期的なストーリーをまず考えた上で、それでは目先はどう動くのかと短期のストーリーを組み立てることが良いように思います。
そのためには、日足・週足・月足などの中長期のチャートを見る必要性もありますし、現在グローバルに注目されているテーマについても関心を持ち、各テーマの重要度の順位づけをする必要もあります。
そうした手間はありますが、それでもパイオニアであることの方が、相場の流れがはっきりしてから戻り売り、押し目買いをするのに比べれば、より利益が出ると個人的には見ています。
なぜなら、相場の流れがはっきりしてから戻り売り、押し目買いをすることが意味するのは、結局、他の多くの参加者も同様のことをすることを意味しており、非常に短期間に、同方向にポジションが偏り、意図した方向とは逆に動くことのほうがずっと多いと考えているからです。